屋外での販売やテイクアウトの需要が高まっていることから、移動販売やキッチンカーの人気が高まっています。
キッチンカーを開業するにあたって、失敗しない為にはキッチンカー・移動販売のメリットだけでなくデメリットもしっかり理解することが大切です。今回はキッチンカーの開業に必要な知識や準備について紹介していきます。
移動販売(キッチンカー)とは
▸キッチンカーが人気に
移動販売(キッチンカー)とは、フードトラック、ケータリングカーなどとも呼ばれ、調理設備を備えた自動車で、クレープなどのスイーツやカフェ、ハンバーガーやピザなど飲食物を販売する形態のことを言います。
初期費用やランニングコストも低く、人が多く集まるところに移動することができるなどのメリットがある移動販売(キッチンカー)は、「自由に自分の時間を持ちたい」「低コストで自分の店を持ちたい」「待つのではなく出向いて販売をしたい」「イベントに参加したい」など昨今の社会情勢もあり、移動販売(キッチンカー)で開業したいという方が増えてきています。
「キッチンカー」での検索が増加
Google Trendsでの人気度の動向によると「キッチンカー」のキーワードで検索している人がだいぶ増えてきています。
この5年間で約10倍も「キッチンカー」のキーワードで検索をしている人が増えており、キッチンカーでの開業が人気になってきているここ1,2年は、伸び率がとても大きくなってきています。
▸コロナ禍における移動販売・キッチンカーとは
コロナウイルスの感染症拡大により、キッチンカーや移動販売業界の状況も大きく変化しています。
3密回避で注目を浴びる
外出を控え自粛をしないといけない影響で、テイクアウトの利用や3密を避けることが出来るキッチンカーの利用が急増。
政府や自治体も、キッチンカーの運営会社等と協力して公園でのキッチンカーでの販売を解放したり、住宅地(団地)で自治体と協力のもとキッチンカーの出張販売の実施など、様々な支援に動き出しています。
コロナウイルスの影響で販売する場所に変化がありキッチンカー業界に注目が集まっていますが、イベントの中止や延期などによって大きな影響も出ていることも知っている必要があります。
ワクチンの接種が進みイベントが再開される時が一番業界が活気付く時になると思われますので、検討中の方はそろそろ考えてもよさそうですね。
固定店舗と比べた移動販売・キッチンカーを開業するメリット
▸固定店舗に比べ移動販売は低資金で開業ができる
固定店舗に比べて調理場、壁、看板、テーブル、椅子、食器類などの内外装工事費やデザイン費が必要ないので移動販売は比較的に低資金で開業することができます。
キッチンカーにもよりますが300万円~500万円程で開業が可能です。
▸商業施設や公園、イベントなど営業場所を移動することができる
商業施設や公園、大学にオフィス街などお客様がいる場所に移動して営業をすることができます。
また固定店舗ではできない、立地選びに失敗したとしても他の場所に移動することができるので、失敗を教訓として成功に導くことが可能です。
移動販売ならではの付加価値も
一つの場所にとどまらず移動することにより「いつでも食べることができない」という付加価値がつくことで、お客様の間で「○○にキッチンカーで来てるよ」などの口コミから広告効果が得られる可能性もあります。
公園に出店しているキッチンカー
▸家賃や人件費など固定経費が抑えられる
1人でも出店ができる移動販売
毎月の固定経費として駐車場代や保険代はかかりますが、高額な家賃はかからず光熱費もほとんどかからない為、移動販売の固定経費は安くなります。
また固定店舗と違って、調理から接客までを基本1人でするキッチンカーの出店は、人件費も最小限に抑えることができます。
大きなイベントの時だけアルバイトを雇う
出店時にはスーパーやイベント主催者などに対して、出店料が必要になることがほとんどですが、出店時のみの費用と考えることができるのと、大型のイベントの時だけアルバイトを雇うなど毎日の人件費ではなく必要時のみの人件費で考えることができるので、家賃と人件費を抑えることができるのは大きな魅力です。
▸副業としても始めやすい
移動販売は固定経費が抑えられるので副業としても始めやすい仕事です。
出店のスケジュールも自分自身で管理ができる為、週末のイベントだけ出店や月に3日だけ出店なんてこともできます。
車が動いていない時は、駐車場代と保険代しかかかってこない為、固定経費が抑えられてスケジュール管理が自分自身でできる移動販売は副業にも向いていると言えます。
▸お客様との距離が近い
調理から接客まで1人ですることが多い移動販売ではお客様との距離が近くなります。
お客様との会話も弾む
目の前で調理をしているのでお客様も会話がしやすく、「メニューのこと」「キッチンカーのこと」「次はいつ来るのか」など会話が弾みます。
「美味しかったよ」など喜びの声もダイレクトにもらえるのは本当に嬉しいことです。お客様との距離が近いのは商品の質のアップという好循環を生み出します。
クレープ片手にポーズもとってくれます!
▸万が一廃業した場合も資産として移動販売車が残る
売上があったとしても、理由があり廃業することもあると思います。
固定店舗の場合、現状回復工事が必要など資産価値はゼロに等しいですが、移動販売は継続して車として乗ることも、売却することも可能です。
メリットだけじゃない!移動販売・キッチンカーのデメリットとは
▸売上が季節や天候に左右されやすい
1番のデメリットは、天候や季節によって売上が左右されることです。
天候が悪いとイベントの中止も
移動販売・キッチンカーは特別なイベントでない限り、通常は屋外で営業を行います。そのため、雨の日などはお客様が少なかったり、営業ができなかったりすることもあり、イベント自体が中止ということもありえます。
暑いときは食欲も落ちる
また暑い夏はお客様の食欲も落ちてしまって購買意欲が下がり売上に直結してしまいます。ただ7月8月は夏祭りなどイベントごとも多く、夏場はデメリットばかりではありません。イベントでは開放感からいつも以上に売上が伸びることも多いです。
出店場所やメニューなど、キッチンカーだからできる対策を練ることが大切になります。
▸販売ができる営業場所が必要
移動販売は移動できることが魅力ですが、どこでも販売ができるわけではありません。例えば公道では販売をすることはできません。
出店場所獲得には営業力も必要
スーパーやドラッグストア、公園や大学など、それぞれの場所でキッチンカーで販売をする許可が必要になります。常に売れる場所を探し、その場所で出店できる営業力が必要になってきます。
でも、営業するのが苦手な人もいると思います。最近ではネットで出店募集の情報なども多く出ておりますのでネットを活用したり、組合に加盟する、出店場所の紹介があるフランチャイズに加盟するなどの方法もあります。
▸移動販売車両が故障すると営業ができなくなる
もちろんキッチンカーは販売場所までは運転をしないといけません。
車の故障や事故により営業ができなくなるリスクもあります。
事故に合うリスクを下げる為に万全の体調で運転することを心掛けたり、故障のリスクを下げる為に車両のメンテナンスはきっちりするようにしましょう。
▸冷蔵庫などに限界があるため十分な食材を持っていけない
キッチンカーは固定店舗とは違って、車両内に設置できる冷蔵庫などに限界があります。
イベントで売上UPが見込める時に食材が足りないということは避けたいところです。
必要なことはあれもこれもメニューを増やすのではなく、こだわりを詰め込んだメニューで勝負することです。一つのメニューにトッピングやソースで変化を加えるようなメニューにすることで、効率よく食材を持っていくことができます。
移動販売・キッチンカーを開業する流れは
▸まずはキッチンカーについて情報収集
キッチンカーで開業するために必要な費用を把握しておきましょう。
キッチンカーの内外装費、仕込み場所、出店場所の出店料、駐車場代、ガゾリン代、保険代、保健所の営業許可の取得費、仕入れ代、販促費などが必要になってきます。
また、すでに開業しているキッチンカーのオーナーに話を聞いてみるのも一つです。メニューの参考にもなりますし、売上や出店場所の参考にもなります。
フランチャイズでの開業を検討中の方は、加盟しようとしているフランチャイズのサポート体制や対応についての参考にもなるので先に聞いてみてもいいかもしれません。
▸販売メニューや販売シチュエーションを考える
キッチンカーを購入する前に、「どんなメニューを販売したいのか」「どこで販売をしたいのか」を考えておくのが大切です。メニューによってキッチンカーに必要な設備が異なるからです。
もちろん大きな冷蔵庫や鉄板が必要なメニューの場合は、軽自動車のキッチンカーでは大きさ的に難しいですが、保健所の営業許可取得の際もメニューによって必要な設備が変わってきます。
キッチンカーで開業する場合は、飲食店営業の営業許可が必要です。
事前にキッチンカーについての説明会などに参加して相談をするのもいいと思います。
▸キッチンカーの購入と仕込み場所の検討
キッチンカーの入手方法は、専門業者に依頼する、中古車をレンタルまたは購入するなどの方法があります。
「野菜を切る」「肉を切る」などのいわゆる仕込み作業が必要な場合は保健所の営業許可を受けた仕込み場所が必要になります。
仕込みが必要なメニューを扱う場合は、キッチンカーの他に仕込み場所を確保する必要がありますので、友人や知人に飲食店を経営している人がいれば相談してみるのもいいと思います。
また200リットルの給排水設備を備えたキッチンカーの場合は車内での仕込み作業が可能になります。
▸販売ができる営業場所の検討
販売ができる営業場所や参加してみたいイベントなどは、開業前にピックアップしておきましょう。開業後に探していると無駄に時間がかかってしまいます。
キッチンカーの出店場所として、場所を紹介している組合などもありますしネットで募集をしている出店場所もあります。
でもせっかくなので、他のキッチンカーが出店していない新たな場所の開拓にも挑戦してみましょう。オフィス街や商業施設のデッドスペースや、高校や大学の通学路にある建物の一部など、車一台分のスペースがずっと空いている場所ならチャンスがあります。
▸保健所での営業許可の取得と保険への加入
保健所での営業許可の取得
キッチンカーで営業をするには、各保健所で飲食店営業の許可の取得が必要になります。
営業販売する場所によって自治体ごとに営業許可が必要かどうかがわかれており、例えば大阪府の場合(大阪市・堺市・東大阪市・豊中市・高槻市・枚方市・吹田市・八尾市・寝屋川市・その他大阪府一円)にわかれております。
(※令和4年1月1日より大阪府では、大阪府内のいずれかの自治体で令和3年6月1日以降に営業許可を取得したものについて、キッチンカーの営業区域が大阪府内全域に拡大されました。)
一方京都府の場合は(京都市・その他京都府一円)のみです。必要な営業許可を取得しましょう。
PL保険への加入
また営業許可のほかにPL保険への加入も必要です。PL保険とは、食品(生産物)がお客様に損害を与えるような「もしもの場合」を補償する保険です。
もし自分のキッチンカーから食中毒を出してしまった場合、数十万〜数百万円の賠償金を請求されることもあります。営業場所によってはPL保険の加入が必須条件になっている場合が多い為、必ず加入しましょう。
▸いざオープン!開業です
いざオープン。開業です。
最近ではYouTubeをうまく使って人気のお店になっているキッチンカーもあります。SNSをうまく活用してお店をPRしましょう。
新規顧客の獲得だけでなく、企業や自治体からのイベントの依頼にもつなげることができるためぜひ試してみてください。
どんなキッチンカーがいい?キッチンカーを選ぼう
▸キッチンカー製作の専門業者に依頼する
一番オーソドックスなのがキッチンカーの製作を専門業者に依頼する方法です。
キッチンカー・移動販売車はコストはかけずに「見た目」も大切
キッチンカーの製作で注意することはこだわり過ぎないことです。
もちろん見た目の「かっこいい」や「かわいい」は大切です。
オペレーションだけを考え見た目があんまりなキッチンカーの場合、イベント主催者もイベントに来てほしいと思わないかもしれません。それでもこだわり過ぎて奇抜な移動販売車を作ろうとすると、それだけ製作費用がかさんでしまい、初期費用の回収に時間がかかってしまいます。
できるだけ安く売れる移動販売車を作れるかがポイントになります。
「セミオーダー」のキッチンカーで良いものを安価で製作
キッチンカーの製作のお勧めは「セミオーダー」での製作依頼です。ある程度のパッケージが決まっている上に、プラスアルファで自分好みの設備を追加していく方法です。
一からデザインをするよりも比較的安価で理想のキッチンカーを製作することができます。
製作会社によって開業後のサポートなども違ってきますので、まずは相談してみましょう。
▸キッチンカー(移動販売車)を中古で購入する
中古のキッチンカーは設備をそのまま使用できるので費用を抑えることができます。
しかし、状態の良い中古車はすぐに売れてしまう場合も多く、いつもサイトをチェックするなら他のことに時間も使いたいところです。そのうえ買ってから不備が発覚した場合、想定外のメンテナンス費用がかかることにもなってしまいます。
中古のキッチンカーを選ぶ際は、価格だけでなく、できるだけ走行距離が短く、状態の良いキッチンカーを選びましょう。
▸キッチンカー(移動販売車)をレンタルする
キッチンカーはレンタルすることが可能です。興味はあるけどキッチンカーの購入はハードルが高い人にはお勧めです。ただレンタルの場合、短期間なら一日3~10万円程度、長期間の継続レンタルでも月15~30万円ほどかかる為、長期でレンタルをすると新たにキッチンカーを購入できる金額になってしまいますのでご注意ください。
また、他者名義の営業許可でのキッチンカーでの営業は保健所が認めていないため、キッチンカーをレンタルする場合でも営業許可は別途取得が必要になります。
▸軽自動車or1.5tトラック!キッチンカーの大きさは
軽自動車のキッチンカーと1.5tトラックのキッチンカーにはそれぞれメリット、デメリットがあります。
運転がしやすく小回りもきく軽自動車のキッチンカーは、営業時にスペースも取らない為、人通りが多い店舗前などの小スペースの場所でも営業ができます。ただキッチン部分が広くない為、フェスなどの大型イベントでは、大人数での対応ができないことから1.5tトラックほどの売上にはなりません。
「どんな場所で営業をしたいのか」から「どんなメニューなら売れるのか」を考えてキッチンカーの大きさも考えていく必要があります。
まだイメージが出来ていないなら、一度相談に来ていただいても大丈夫です。
キッチンカーの開業に伴う資金や必要な申請は
▸キッチンカーの開業に必要な資金は
キッチンカー・移動販売車の価格
キッチンカーの開業に必要な資金は、まず車両代としてキッチンカーにもよりますが200万円~400万円程が必要になります。初期費用を低く見せて必要な設備をオプションにすることで、結果高くなるようなキッチンカーの製作会社には注意をしたほうがいいでしょう。
その他調理器具や保険代などの諸費用
その他調理用具や厨房機器、営業許可の取得費、保険代、駐車場代、仕入れ代や販促費などを考えるとキッチンカーとの合計で300万円~500万円は必要になってきます。固定店舗に比べると開業資金は低いですが、資金計画をしっかり立てることが必要です。
▸開業するための融資やローンは
開業するためには必要な資金を自分自身で貯めるのか、融資を受けるのか、ローンを組むのかになってきます。
融資を受ける場合は事業計画書などが必要になってきますが、銀行や信用金庫だけでなく日本政策金融公庫にも創業融資制度がありますので、そちらを利用する方も増えてきています。またキッチンカーの製作会社によっては、製作費を分割にできるようにローン会社と提携している会社があります。
▸開業に使える補助金や助成金
各都道府県や自治体ごとにキッチンカーの開業や運営に使える補助金や助成金もあります。
補助金・助成金に関する情報を検索できます。
補助金や助成金については、その時々で募集もされていますので、開業の際には使えるものがないのかをきっちり調べましょう。
▸保健所の営業許可!本当に申請が必要なエリアかを考える
キッチンカーで営業をするには、それぞれの都道府県や自治体の保健所で営業許可を取得する必要があります。
例えば大阪のすべての市町村に出店したい場合は、10カ所の保健所で営業許可を取得する必要があります。1件につき16,000円程度の申請料金が必要になり、5年後には更新しないといけません。営業許可の取得は本当に必要なところを取得することをお勧めします。
フランチャイズから開業支援まで!迷ったら株式会社TAROCへ
▸クレープの研修や、開業後のサポートもセットにしたSweets HEROのフランチャイズ
Sweets HEROではクレープのキッチンカーのフランチャイズを募集しております。
開業前の資金面の相談から、初めての方でも必ずクレープが作れるようになる研修制度、営業許可取得のサポートに、開業後の出店場所の紹介までをセットにしております。
キッチンカーで開業をしたいけど、メニューやキッチンカーについてもどうしていいかわからない場合は、一からご説明しますので、Sweets HEROのフランチャイズもご検討ください。
クレープの移動販売Sweets HERO(スイーツヒーロー)のフランチャイズはこちらを参考にしてください。
加盟金・ロイヤリティ0円で屋号も自由。サポートを受けながら自由に経営したいという方に合わせたフランチャイズになります。
▸キッチンカーの開業説明会実施中
はじめてキッチンカーの開業をする場合、「何から考えたら良いのか」、「何を準備したら良いのか分からない」という人も多くいらっしゃると思います。そんな時は、開業説明会にお気軽にご参加ください。
今までのキッチンカーでの営業経験をもとに、メニューやキッチンカー、出店場所のことなど幅広くご質問にお答えさせて頂きます。
キッチンカーのフランチャイズ・開業説明会はこちらをご確認ください。
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